食品の物流について業務効率化や生産性向上、コスト削減など、さまざまな課題に直面している方も多いと思われます。その解決策の一つにアウトソーシングを利用する方法があります。今回は、食品物流のアウトソーシングについて、導入のメリットからサービスを選ぶポイントまでご紹介します。
目次
食品物流のアウトソーシングとは?
まずは食品物流のアウトソーシングの概要やサービス内容を見ていきましょう。
食品物流アウトソーシングとは
物流アウトソーシングとは、外部の業者に物流業務のすべて、または一部を委託するサービスを指します。その物流アウトソーシングの一種で、食品の物流を専門に取り扱うのが食品物流アウトソーシングです。
食品物流アウトソーシングの一般的なサービス内容
物流アウトソーシングでは、多くの場合に倉庫を有しており、そこで荷物の入荷から検品、在庫管理のほか、指示があり次第ピッキング、梱包、出荷を行うのが一般的です。サービスによっては、返品処理などのアフターサービスも対応することもあります。
サービスによって委託できる内容が大きく異なるため、一概には言えませんが、おおむね物流アウトソーシングはこれらの内容を代行します。
そして食品物流アウトソーシングでは、食品に関する専門的な物流ノウハウや最新技術を持っており、適切な施設や設備を提供します。
具体的には、食品特有の温度帯管理を行うのが一般的です。温度帯管理とは、主に3温度帯を管理することをいいます。常温・冷蔵・冷凍の3種類の温度帯を指しており、それぞれ適した食品があります。
常温(ドライ)は10℃〜15℃、または20℃程度の温度帯で、チョコレート、米、マヨネーズ、ドレッシング、缶詰や非常食などに適しています。
冷蔵(チルド)は-5℃〜5℃という一般的な冷蔵庫と同等の温度帯で、乳製品、精肉、鮮魚、生鮮食品、漬物などに適しています。
冷凍(フローズン)は-15℃以下で冷凍した状態の温度帯で、冷凍食品やアイスクリームに適しています。
食品ごとに最適な温度帯で管理しながら、倉庫での保管やトラックでの配送を行います。
関連リンク:3温度帯における物流の課題と解決策
食品物流のアウトソーシングの導入メリット
食品物流アウトソーシングを導入することで、次のようなメリットが期待できます。
コスト削減につながる
食品物流に関して人手不足や品質向上などの課題を抱えている場合、食品物流のプロに任せることで、コスト削減につながることがあります。自社で人員を雇うよりもプロに一括で任せたほうがトータルでコスト削減につながることもあるからです。
また共同配送など、効率的に荷積みする配送方法を採用している場合もあるため、積載効率の向上という意味で、物流コスト削減につながることもあります。
深刻な人手不足への対応策になる
食品物流を一括でアウトソーシングすることで、物流部門をすべて任せ、自社でまかなわずに済むようになるため、深刻な人手不足の場合に重要な対応策になります。
適切な温度帯管理で品質保持
食品の温度帯管理は、食品の品質や鮮度保持のために非常に重要です。食品物流のプロに任せることで、常に適切な温度帯管理が叶い、一定の品質保持を継続的に実現することができます。
自社の食材物流網を維持・拡大しやすくなる
人手不足が深刻になると、物流網が維持しにくくなるだけでなく、将来的に拡大していくことにも懸念が生まれます。食品物流アウトソーシングを利用することで、物流網の維持拡大の未来が明るくなります。
リードタイム削減・過剰在庫や食品ロスの低減につながる
物流業界では、トラックドライバーの長時間労働規制などを背景に、リードタイム削減が急務になっています。さらに過剰在庫や食品ロスといった課題にも直面しているケースが多くあります。
食品物流アウトソーシング事業者に委託することで、業務効率化や24時間体制によるリードタイム削減のほか、適切な管理体制により在庫管理の適正化や食品ロス削減につながるメリットも期待できます。
多品種小ロットを多頻度で配送できる
食品物流の特性として、一つ一つの食品の単価が低く、賞味期限が異なったり、期間が短かったりする点から、多品種小ロットで多頻度輸送が多いという特徴があります。
少量多頻度で食品を配送したいというニーズがある中で、食品物流アウトソーシングであればそれが実現しやすくなるでしょう。
配送ルートの効率化
届け先が数ヶ所だけ遠方にあり、配送ルートに非効率を感じているケースも多くあります。食品物流アウトソーシングによっては、共同配送などを通じて、効率的な配送ルートを実現できる場合もあるため、課題解決につながります。
食品物流のアウトソーシングサービスを選ぶポイント
温度帯管理の徹底度
食品物流の命ともいえる3温度帯の管理は最も重要といえます。それぞれの温度帯に適した倉庫のほか、トラック配送時も温度維持できるかどうかなど、温度管理についての徹底度を確認しましょう。
配送頻度の細かい調整ができる
先述の通り、食品物流は多品種小ロットで多頻度輸送が多いという特徴があることから、配送頻度について細かい調整に応じてくれるかどうかはとても重要です。
出荷量に応じた料金体系
食品物流アウトソーシング事業者の中には、料金体系について出荷量に関係なく、一律で決められている固定制を採用していることもあります。しかしそれでは出荷量が少なかった場合にコストに無駄が生じてしまいます。コスト削減のためにも選定の際には、出荷量に応じた料金体系の事業者を選ぶのをおすすめします。
コスト削減のために協力する姿勢
物流業界では、どの企業にとっても物流コスト削減が重要な課題となっています。そのため、業界全体でコスト削減を実現していく必要があります。食品物流アウトソーシング事業者が依頼側のコスト削減に協力する姿勢があるかどうかは、重要な見極めポイントといえます。
豊富な食品物流実績
当然のことながら、食品物流は特有の管理が必要なことから、豊富な実績があることは大前提といえます。食品物流に特化した専門的な事業者を選ぶと安心して任せることができるでしょう。
北王流通の食品共同配送サービスの特徴
食品物流アウトソーシングの具体例を一つご紹介します。北王流通の食品共同配送サービスです。
共同配送で効率化
このサービスは長年培ってきた食品物流の専門知識や技術、経験をもとに徹底した温度管理を行う倉庫を通じて首都圏・関東圏エリアに対応する、食品の共同配送サービスです。商品をエリアごとに積み合わせすることで食品物流を効率化します。
参考ページ:食品共同配送サービス
出荷量に応じた価格体系で物流コスト改善
配送個数(配送重量)や配送店舗数に応じた料金体系を採用しており、バラピッキングにも対応し、必要な食材を必要なタイミングで、必要なだけ配送可能です。これにより、物流コストの効率化につなげることができます。
参考ページ: 食品物流コストを削減したい
3温度帯の徹底管理による品質保持・24時間365日対応
3温度帯の徹底管理による品質保持はもちろんのこと24時間365日対応していることから、柔軟かつ品質を保った食品配送が可能になります。過剰在庫や食品ロスの低減につながります。
配送頻度の細かい調整が可能
多品種小ロットで多頻度輸送が多いことに課題を感じている場合に、本サービスは特に利用価値があります。配送頻度の細かい調整が可能になるため、これまでの食品物流を大きく変えることができます。
複数の場所へ希望の時間帯に配送が可能
飲食店が納品先の場合、仕込みや調理の直前に食材を届けたいという時間帯に関するニーズがあるケースも多いのではないでしょうか。本サービスでは、エリアごとに多くの車両が運行しており、広い範囲に複数の届け先が立地していてもご希望の時間帯に食材を配送できます。
まとめ
食品物流アウトソーシングは、物流アウトソーシングの中でも、食品物流という特徴的な物流分野のプロに任せることができるサービスです。食品物流特有の課題や特徴を解決することができるメリットは大きいと考えられます。
北王流通の食品3PLサービスでは、食材の受発注から在庫管理、店舗への輸配送に至るまで、食品物流の全フローを一括してアウトソーシングいただけます。