今回は、食品物流の特徴から現状課題、解決策やポイントまで食品物流に関わる方々に役立つ情報をご紹介します。
目次
食品物流とは?その特徴を解説
食品物流とは、食品を取り扱う物流全般を指します。
取り扱うのは農林水産物、製造された食品、輸入品の3つに大別されます。これらの食品は、食品の特性に応じて適正な温度管理が必要であり、主に常温、冷蔵、冷凍の3温度帯のいずれかで管理しながら運ぶことが求められます。
食品物流の配送先は主に消費者、食品製造業、外食店舗、小売店舗などがあります。
食品物流の特徴
食品物流の特徴としては、次の点が挙げられます。
- 温度と日付・時間の厳重な管理の必要性
荷物の保護や取り扱いには十分注意する必要がある物流ですが、特に食品を取り扱う場合、それに加えて食品の品質を守るために厳重な温度管理と日付・時間管理も求められます。 - 手荷役が多い
食品は衛生面や一つ一つの荷物のサイズが小さいことが多いこともあり、手積みや手降ろしなどの手荷役が多く、人手による対応は欠かせません。 - 受注から納品までのリードタイムが短い
食品は鮮度維持の点から、受注から納品までのリードタイムが短いことが多く、スピーディーな対応が求められます。 - 多品種小ロットで多頻度輸送が多い
食品流通の特性上、多品種小ロットで多頻度輸送が多いのも食品物流の特徴です。
このように、食品物流は一般的な物流と比較して細やかで厳重な管理が求められる特徴があります。
食品物流の現状課題
食品物流は現状、次のような課題に直面しています。
チャネルの多様化・EC物流の活発化に伴う業務過多
近年、食品流通のチャネルは増大しており、流通経路も広がっています。さらに商品の小口化や複雑化への対応や迅速な配送の必要性も増しています。近年はECが活性化しており、食品ECにおいても物流量が増加していることもあり、業務過多になりやすい状況があります。
「物流2024年問題」への対応
働き方改革関連法において、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用されるに当たり、労働時間が短くなることで輸送能力が不足する懸念が生じています。この「物流2024年問題」への対応は荷主も含めた物流業界全体にとって大きな課題となっており、食品物流においても同様です。
特にリードタイム削減や業務効率化の必要性がありますが、食品物流はその特性上、品質を保持しながら対応しなければならないため、対応は厳しいものとなっています。
CO2排出削減などの環境対応
トラック輸送はCO2排出削減などの環境対応が求められています。食品物流は多頻度輸送の特徴を持つことから、頻度をできるだけ落とすなどの対応が求められます。
食品ロスの削減対応
まだ食べられるのに賞味期限切れなどで廃棄されてしまう食品ロスの問題は、物流においても大きなものとなっています。物流工程において食品の品質劣化が生じてしまうと、廃棄につながってしまいます。また温度管理が厳密になされていなければ、食品の販売期間自体が短くなってしまい、廃棄量の増大につながってしまいます。食品物流においては常に食品ロス回避を念頭に置いておかなければなりません。
トレーサビリティの確立
トレーサビリティとは商品の移動を追跡可能な状態にすることであり、食品業界においても導入が進められています。産地から加工工場、物流倉庫、トラック輸送、食品流通業者や小売店までの経路を明らかにすることで食品の安全性や信頼性が高まります。
食品流通サプライチェーンの一つとして食品物流においても対応が求められています。
食品物流の課題解決策
食品物流の数ある課題の解決策として、主に次のことが有効だと考えられています。
徹底した3温度帯による温度管理
物流量の増大やリードタイム削減、食品ロスの削減対応などの課題に対応する中では、厳密かつ適正な温度管理をより徹底することが重要になってきます。倉庫においては3温度帯管理の専門的な知見と仕組みが求められます。
【関連コラム】
3温度帯における物流の課題と解決策
徹底した温度管理を伴うコールドチェーンによる配送
温度管理は、倉庫管理のみならず、トラック輸送中においても必要です。近年はコールドチェーンという物流工程を含めたサプライチェーン全体を通して適正な温度管理を行う物流の仕組みが整ってきています。
コールドチェーンを通じて食品の3温度帯管理を徹底して行うことも課題解決の一助となります。
業務効率化・リードタイム削減のための対策
倉庫内作業の効率化や業務改善、リードタイム削減などを目的とした各種対策も重要です。WMS(倉庫管理システム)の導入により、倉庫内作業の見える化を実現したり、荷役の自動化を進めたりすることは課題解決につながります。
サプライチェーンの連携強化
物流2024年問題やCO2削減など物流業界全体で物流最適化を目指す必要が出てきている昨今において、業界全体が連携して行う取り組みが進められています。複数の物流業者が荷物を持ち寄る共同配送や、電子化された納品伝票データや出荷情報、商品情報の業界共通データベースの整備などが進められています。
食品物流を得意とする3PLの利用
専門的な物流のノウハウを持つ第三者企業に物流業務を委託する3PL(スリーピーエル 、サードパーティーロジスティクス)の利用も一案です。国土交通省も導入を推進しており、コスト削減と業務効率化の切り札として、多くの企業から注目を集めています。食品物流を得意とする3PLを利用することで、業務効率化やリードタイム削減のほか、物流品質の向上も期待できます。
食品物流の課題解決のポイント
食品物流の課題解決のためには、次のポイントを押さえて進めることで、成功につながりやすくなると考えられます。
食品そのものや食品物流の特性を理解することが先決
食品物流は、前述の通り一般的な物流と異なる特徴を持ちます。効率化を進めるに当たっても、その特性を十分に理解しなければ食品の品質を保持しながら運ぶことができません。まずは特性の理解が必要ですが、一朝一夕にはリアルな現場の知見を得ることはむずかしいでしょう。その点を踏まえた上で最適な対策をとりたいものです。
経験と知識のある事業者に委託する
自社内に食品物流の知見や経験が不足している場合、経験と知識のある事業者に委託することが最善策といえます。コストパフォーマンスを考えて検討しましょう。
特に食品物流を得意とする信頼のおける業者に委託することで、物流品質の向上につながることから、課題解決はもちろん、メリットも多く得られると考えられます。
北王流通は、食品物流の豊富な実績と専門的な知見、および設備や物流環境を有しており、さまざまな課題解決のお手伝いができます。
食品の受発注から入庫作業、常温・冷蔵・冷凍の3温度帯での在庫管理、店舗ごとのピッキング、トラックによる輸配送、店舗の冷蔵庫・冷凍庫への食品の格納に至るまで、食品物流の全フローを丸ごとお任せいただける3PLサービスをご提供しております。
関東圏に6つの食品物流センターと共同配送網を備えており、幅広いお客様にご対応可能です。
【関連リンク】
北王流通の食品物流サービス
まとめ
食品物流は今後もさらなる業務効率化や品質向上をはじめとした課題対応が必要になってくると考えられます。今こそ、最適化された食品物流の体制づくりを行うべきときといえます。
食品物流にお困りの方は、ぜひお気軽に北王流通にご相談ください。
関東圏に常温・冷蔵・冷凍に対応した合計10,000坪以上のキャパシティを持ち、倉庫保管・ピッキング・配送まで一括して委託できます。
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